映画『タイタニック』の題材としても知られる、豪華客船タイタニック号の沈没事故。
タイタニック号
1912年、イギリスからアメリカへ向かう航海の途中、氷山と衝突したことが原因で沈没。北大西洋の海底3,800m付近に今もその姿を残す。
腐食が進んでおり、「2100年までには船艇の重さに耐えられなくなり、崩壊する」と言われている。
今も深海に横たわる、当時世界中の誰もが憧れた豪華客船ー・・・
通常その姿を見ることはできませんが、「タイタニック号見学ツアー」なるものがあるらしい…
今回は、タイタニック号ツアーの内容、料金は1人3000万円以上は本当か、潜水艇のスペックについて調べてまとめました。
1912年に海難事故に遭ったとされる実際のタイタニック号
一見歴史のロマンを感じられる素敵なツアーのように感じますが、色々なリスクや噂もあるようで…
最後まで読んで頂けたら嬉しいです。
タイタニックローズ本人の現在は?実話はどこまで?生存者には日本人も
タイタニック号ツアー内容は?
タイタニック号見学ツアーは、米ワシントン州エヴェレットに本社をおく旅行会社「オーシャンゲート・エクスペディションズ」という民間企業が運営を担っています。
1912年、今から100年以上前に北大西洋沖の海底に沈没した豪華客船、「タイタニック号」。
同社開発の潜水艇に乗り込み、船が沈んでいる海底3,800mまで降下し、その船体を見学することができるというツアー内容です。
■ツアーの期間は7泊8日。
■最多催行人数は7名。
■緊急時の最大酸素積載量は96時間分。
ツアーの流れとしては、カナダのニューファンドランド州セントジョンズを出発し、約640km離れた沈没現場へ。
現場の海上から潜水艇に乗り込み、潜水を開始するというもの。
タイタニック号には当時として珍しくデッキに大型プールが設置され、内部にはレストランやジムが併設されていたそう。
現在はかなり朽ちていますが、それでもこのツアーに参加した際には、当時の豪華絢爛ぶりや船の作りなどを詳細に知ることができるといいます。
これまで300人ほどが乗船していて、事故を起こしたことは一度もないそう。
参考:NHK | アメリカ
過去に、この潜水艇「タイタン」に乗って、タイタニックの見学ツアーに行ったことがあるというドイツ人探検家の話によれば、
「10時間あぐらをかいて座っていなければなりません。屋外カメラはブルートゥース経由でスマホに接続されていました。深海3800メートルで真っ暗な無人の空間を漂いました。停電の可能性があるので、地獄でした。空間はわずか2・5メートル。気温は4度。イスもトイレもありません。」
ということで、船内はかなり過酷な状況であることがわかります。
この状態でタイタニック号の周りを2周ほどして浮上してくるプランだったと言います。
料金は1人3000万円以上!
タイタニック号見学ツアーの料金は、8日間で25万ドルです。
日本円にすると、なんと約3,500万円!!
約1週間の旅行に、家が買えてしまう料金がかかるとは…
上記の費用には、ツアー期間中の食事や、事前の潜水訓練の費用、装備一式、などが含まれるそう。
とはいっても、とてもじゃありませんが一般庶民に手が届く金額ではありません。
それでも、非常に裕福な一部の方々は、「歴史的な船艇の最後の姿をこの目で見てみたい」と思うのかもしれませんね。
実際のところ、直近のツアーの参加者は、
●英国人探検家、兼航空機製造会社の会長
●パキスタン有数の実業家
●フランス人探検家
●ツアー催行会社CEO
などだったといいます。
なかには実に30回以上タイタニック号の沈没現場に足を運び、その研究に取り組まれている方もいるんだとか
探検家にとって、まもなくその姿を消すと言われている沈没船を実際に見ることができるのは、きっとこの上なくロマンを感じることなのでしょうね。
潜水艇についても
タイタニック号見学ツアーで使われる潜水艇の名前は「タイタン」。
・全長6.7メートル
・重量10,432kg
同社のストックトン・ラッシュCEOは、この潜水艇の頑丈さを「岩のように堅牢だ」と評していたといいます。
水深4,000m近い水圧に耐える訳ですから、そりゃ頑丈でないと困りますよね
しかし、中にはこんな話も…
報道関係者用のプレスツアーに参加したという記者曰く、
「乗客は外側から締められる数本のボルトによってメインカプセルの中に密閉されます。下船するときは外側からボルトを取りはずしてもらう必要があります。」
「操縦にはXboxのゲーム用コーントローラーが使用され、バラスト(船体のバランスを取るための重し)の一部には廃材の建設用パイプが使われていました。もし水漏れを起こしたとしても、バックアップもなければ脱出用ポッドもありません。最初は即席の船だと思いました」
引用: AppBank
操縦にXboxのゲーム用コーントローラー!?はちょっと驚きました…
ツアー催行会社のCEO自ら潜水艇に乗り込んでいるので、安全面には絶対の自信があるのでしょうが、やはり客観的にみると不安に感じますね。
また、一部の報道によれば、船内の❝のぞき窓❞は水深1,300mまでの水圧にしか耐えられないと警鐘を鳴らした元社員が解雇され、不当解雇の撤回を求めて裁判に至ったとの話も…
それが事実だとしたら非常に恐ろしいですね…
過去に行方不明も
どうやら、このタイタンという潜水艇は、過去にも数時間ほど海中で迷子になってしまったことがあったようです。
You may remember that the @OceanGateExped sub to the #Titanic got lost for a few hours LAST summer, too, when I was aboard…Here’s the relevant part of that story. https://t.co/7FhcMs0oeH pic.twitter.com/ClaNg5nzj8
— David Pogue (@Pogue) June 19, 2023
キャプションを直訳すると、
あなたは思い出すかもしれない。
@OceanGateExped#Titanicのサブ は、去年の夏も私が乗っていたときに数時間迷子になりました…これがその話の関連する部分です。(以下参考動画)
と書かれています。
前回は海上にいる母船と連絡が途絶えることはなかったそうですが、やはり何らかのリスクをはらむ前兆だったのかもしれません。
深海は神秘的で大変魅力を感じますが、好奇心を感じられるのも命があってこそ。
装備は十分か、安全性の検証はしっかりされているか、非常事態への備えはあるか。
海底ツアーに限らずですが、未知の体験をする時には自分自身でしっかりと安全性を見極めた上で、臨みたいものです。
「圧壊」と「爆縮」
潜水艇「タイタン」の乗客らは死亡したとみられる-運航会社が発表 https://t.co/TSsPvZEfkn
— ブルームバーグニュース (@BloombergJapan) June 22, 2023
2023年6月18日、同潜水艇タイタンに乗船し、タイタニック号の残骸を見学するツアーに参加した5名が行方不明になりました。
酸素積載量から、生命維持が可能なのは最大で96時間。
海中から30分おきに異音がすることからその周辺を中心に決死の捜索活動が行われていました。
しかし、2023年6月23日未明。
同潜水艇がツアーの途中で消息を絶って5日目。
タイタニック号から500m程離れた海底で、その船体の一部が発見されました。
潜水艇が水圧に耐えられず圧壊した可能性があるとのことです。
深海の水圧に船体が耐え切れず、瞬間的に爆縮(船体が爆発的に破壊される)した可能性もあるとのこと。
Debris confirmed as that of the submersible TITAN. US Coast Guard: "debris is consistent with a catastrophic implosion of the vessel." Both titanium ends of the pressure hull were found amid the debris about 1600 feet from TITANIC's bow – an area free of TITANIC debris… pic.twitter.com/uawjyGCOtq
— Chris Cavas (@CavasShips) June 22, 2023
上記の内容を翻訳すると、
残骸は潜水艇タイタンの破片として確認されました。
米国沿岸警備隊「破片は船の壊滅的な爆発と一致しています。」
圧力船体の両チタン端は、タイタニック号の船首から約1600フィートの破片の中で発見されました。
ということなんだそう。
非常に残念な結果になってしまいました…
乗船者の方々のご冥福をお祈りいたします。
まとめ
今回は、タイタニック号ツアーの内容、料金は1人3000万円以上は本当か、潜水艇のスペックについて調べてまとめました。
・タイタニック号ツアーはカナダを出発して7泊8日で実施
・料金は1人25万ドル(日本円で約3,500万円)
・潜水艇「タイタン」は全長6.7m、重量約1万㎏
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