全国展開する医療脱毛クリニック「ウルフクリニック」が突然閉院し、返金がされないまま破産手続きに入った問題。
この件に関しては、従業員の給与も未払いのままとなっており、近く被害総額1億8千万円の支払いを求めて、集団訴訟が提起されることが判明しました。
ひとつの弁護士事務所のみで900人以上の相談を受けているそう
なぜこのような事態に陥ってしまったのでしょうか。
今回は、責任者であるウルフクリニック社長は誰なのか、突然の閉院の真相と、破産開始手続で集団提訴への動きについて調べてまとめました。
ウルフクリニック社長は誰?
ウルフクリニックとは
ウルフクリニックは、全国5か所(渋谷・池袋・横浜・梅田・栄)の主要都市に店舗を持つ男性専門の医療脱毛クリニックです。
公式HPの店舗情報には、「coming soon」として、札幌・銀座・神戸・広島・沖縄などの名前も記載されていました。
苦しい経営の中で、さらに店舗を広げようとしていたのでしょうか
また、同公式HPでは、
「コース料金273,000円が今なら半額!」
「明瞭会計、業界最安クラス」
「安すぎて怪しいって?うちが安い?他が高いんです」
「コスパ最強」
などと費用の安さをゴリ押しするうたい文句がずらり…
実際に全身脱毛5回コースは136,500円(税込)、月々3,100円とかなり費用が抑えられています。
業界大手の料金表と比較すると
A社・・・全身5回:245,000円(月々5,670円)
B社・・・全身5回:354,800円(月々7,100円)
破格の安さであることがわかります。
利用者には一見魅力的に感じますが、実際のところ内情は自転車操業で火の車だったようです。
そんなうまい話はないですよね…
社長は誰なのか
運営元自体は、株式会社TBIという会社で、その出資者である株式会社WYZZと、株式会社GLOWINの代表がそれぞれ経営に関与しているようです。
【拡散希望】医療脱毛ウルフクリニックまとめ
— Mr.なす (@mr_nasu8) February 25, 2023
経営元は医療法人や医師ではなく株式会社TBI#医療法違反 #株式会社TBI #澤田大樹 pic.twitter.com/doUXZGQ7m0
この関連図で見ると、運営元の代表は澤田大樹さんと仰る方になっていますね。
ちなみにこちらの図解を提供しているTwitterの運営者Mr,なすさんは、LINEチャット上で【ウルフクリニック被害者の会】を立ち上げています。
※この関連図によれば、医療法違反や名義貸し、解説届未提出などの違法行為があったとされていますが、真偽は不明です。
ただ、事実として、突然閉院&破産手続きが開始され、利用者や従業員に迷惑がかかっていることは確かなので、その運営にも何かしらの問題があったのかもしれませんね。
突然の閉院と破産開始手続で集団提訴へ
閉院までの経緯
「最強コスパ」のうたい文句に誘われ、多くの利用者がいたこちらのサロン。
それが今年の4月に入ると、突然クリニック側からLINEで休業の連絡が入ったと言います。
「5月中旬頃の再開に向けて準備をしております。再開するまでの日にちで予約をいただいている患者様につきましてはキャンセルさせていただきたく存じます」
しかし、約束の5月中旬を過ぎても結局営業が再開されることはなく、利用者らは店舗に連絡を試みますが、そのうちまったく連絡もつかなくなってしまったといいます。
どうにかウルフクリニックの件、もっと世に広まって、返金対応して下さるとありがたい、、😭🙏
— こん🦊 (@nono70014255) June 13, 2023
#ウルフクリニック
ウルフクリニック急に倒産??
— のりお (@kijitoranuko) June 13, 2023
まだお金払った分施術してもらってないのに😭お金返して😭#ウルフクリニック
ウルフクリニック、返金しますって1ヶ月以上前に締結したのにお金返ってこない、、#ウルフクリニック #詐欺
— ゆれる (@iOIxZakLjf7d8GP) June 7, 2023
返金を約束したのに守られていないケースもあるようですね。
破産開始手続の連絡
運営会社(おそらく株式会社TBI)が開いた緊急会議の内容によると、
●利用者への返金は通常のサイクルだと厳しい状態。
一気に返金すると、従業員の給与が払えなくなる
●本来は月末に支払う従業員への給与も、利用者からの売上金が入ってきてからになるため、5月1,2日になる可能性がある
しかし、結局5月に入ってからも、給与が振り込まれることはなく、その代わりに届いたのは「破産開始手続」に関する弁護士事務所からの手紙だったといいます。
ウルフクリニックを経営する株式会社TBIは、令和5年5月31日までに業務の一切を停止し、東京地方裁判所に破産手続開始の申立てを行うこととなりました。
— 今野衛@24H無料労働相談活動中 (@funkykong555) June 2, 2023
受任弁護士から5月30日付の通知が従業員の方に届き始めています。
未払賃金については立替払い制度を利用することができます。#ウルフクリニック
【手紙の内容】
5月31日までに業務の一切を停止し、破産手続き開始の申し立てを行う予定です
ウルフクリニックに勤務していた看護師曰く
「2カ月分の給料がいまだに振り込まれてないという状態。75万円くらい」
といいます。
従業員への給与を確保するために、利用者への返金は後回しにすると言っておきながら、その最低限の約束さえ守られない。
あまりにもずさんな経営体制と言わざるを得ません…
集団提訴へ
本件の集団訴訟を担当しているアディーレ法律事務所の重光勇次弁護士によると、
「相談を受けているのは900人以上」
「(被害総額は)1億8000万円とか、そういう金額にはなってくる」
といいます。
来月上旬には被害者100人ほどで、集団訴訟を起こす方針とのこと。
医療法上は医師がクリニックの経営主体とみなされるそうで、その医師に対して返金請求する見込みだといいます。
果たして、総額2億円近い負債を医師個人に求めたとして、しっかりと返金してもらうことが可能なのか…
今後の動向に注目が集まっています。
※続報が入り次第、随時追記していきます※
まとめ
今回は、責任者であるウルフクリニック社長は誰なのか、突然の閉院の真相と、破産開始手続で集団提訴への動きについて調べてまとめました。
脱毛クリニックに限らず、価格が安いことは利用者にとって大変魅力的に映ります。
しかし、他と比べた時に明らかに「おかしい」と感じるほどに低価格である場合、その裏には「十分なサービスを最後まで受けられないかもしれないリスク」と「低価格であるがゆえの裏事情」が潜んでいる可能性を忘れてはいけません。
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